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先輩、ボクの野菜炒めはどうですか!?

いつの頃からだろう。

確か夏の終わりくらいからだった様な気がする。

夕方5時過ぎから、遅くとも7時くらいの間に、いつもおひとりでいらっしゃる男性がいる。

作業着を着て、髪はロマンスグレー、スラッと背が高くて、背筋のピンッと伸びた男性。

恐らく年齢は60〜65歳。

いつも穏やかで優しそうな表情をしています。

来るのはだいたい1週間に1回のペース。

ま、これくらいの特徴ならもちろん記憶には残るけど、特別な感じはない。しかし、このお客さまがボクの記憶に強烈に残るようになった最大の理由はコレ。。。

いつも注文するメニューが決まっていること。

それは。。。。

野菜炒めと半ライス。

メニュー表を一切見ないで注文します。

友理の最大のウリである「ラーメン」や「ちゃんぽん」には目も触れません。隣りに座ったお客さまの「ホルモン焼」なんてチラリともしません。

もう迷うこと無く「野菜炒めと半ライス」

野菜炒めって、いわゆる定食屋さんには定番のメニュー。中華料理屋さんにももちろんある。居酒屋さんにもおつまみとして揃えているお店もあるでしょう。

シンプルなので、言わばどんな業態でも出せるメニューです。

それだけに、あまり特徴の出せない料理。特徴を出そうと思えば、お肉を多くしたり、レバーやニラを加えたり、玉子とじにしたり。。。別の料理名になっちゃう。

作る側とすれば、シンプルだけに上手い下手の特徴が出やすいのが野菜炒め。

火加減、タイミング、味付けなどなど。。。その技術を案外問われるのが野菜炒めなんです。

鍋振りに慣れるために最初に練習するのは野菜炒めで、ボクも練習のために野菜炒めは相当食べました。最初のころは同じように作っても、味や野菜の食感などが毎回違っていたことが今でも思い出されます。

そんな「野菜炒め」を決まってご注文される男性。

ボクからすると例えば、ベテランのキャッチャーにストレートを投げ込む若手ピッチャーの様な気持ち。

伝わるかな?

「カーブとかシュートとか、ましてやフォークとか投げんな!」

「まっすぐだけでいい。まっすぐ投げてこい。まっすぐ見ればだいたいわかる。」

伝わるかな?(笑)。

そんなイメージをいつもしてしまう。

年齢からして、数々の野菜炒めを食べて来られたことでしょう。野菜炒め食べれば、作り手の技術はもちろん、このお店の出す料理全体の味すら「悟って」しまうかのような落ち着いた穏やかな表情。

ヒシヒシと感じるプレッシャー。

とはいえ。

今のところ、週1回のペースで食べに来て下さるので、恐らく「ストライク」なんだろうと思う。

たかが野菜炒め、されど野菜炒め。

初心忘るべからず

慣れてしまう日常を、キリッとシメてくれるベテランキャッチャーのご来店が少々プレッシャーを感じながらも、自分を戒める意味で、最近はちょっと楽しみに近い存在かもしれない。

そんなことを感じています。

年内あと1回来るかな?

ではではまた。

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