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今が踏ん張りどき、覚悟を決めて辛抱しよう。きっとすぐよくなる。

「お支払い方法はどうなさいますか?」

「お支払いは現金でよろしいですか?」

10月からお会計の際、お客さまにこのひと言を声かけてます。このことだけでもお客さまによっては「おっ!友理なんか変わった」って思われるかもしれません。

そうです。10月からいろんな点で変わりました。

予測できたことは先にブログでご紹介してます(「10月から変わることシリーズ 」)が、実際10月を過ぎ1ヶ月経ってどうだったのか?ボクまささんの視点から感じたことを書いてみたいと思います。

直前までバタバタした9月

10月からの「消費税増税」「軽減税率導入」そして「キャッシュレス還元事業スタート」と、世の中を変えると言ってもいいシステムが始まることで、それを迎えるまでの特に9月の後半は結構バタバタと準備に奔走しておりました。

特に友理的には、価格変更(つまり値上げ)、お持ち帰り容器代金の請求、容器を使わなかった場合の値引き対応….などなども合わせて組み込むことになったので、もしかしたら他店よりもスタッフ一同戦々恐々の思いで10月を迎えたのかもしれないです。

初めて勉強会を開催したよ。

そんなこんなでとうとう10月を迎えたワケですが、蓋を開けて見れば、警戒していたお持ち帰りの容器の件や、容器代の値引き対応の件は勉強会やスタッフみんなのおかげで意外とスムーズにできてる反面、予想以上に「キャッシュレス」でのお会計のお客さまが増えて、予め導入して慣れてたはずの現金以外のお会計の対応に少々手こずっているという印象です。

急激に増えたキャッシュレス決済

実際、キャッシュレスでのお会計を数字で見ると、9月までは全体のお会計の約5%程度だったのに対し、10月のスタートから1ヶ月経って平均で20%台前半。日によっては、30%を超える日もくらい増えてるので、少々バタバタするのも無理はないとは思います。

伝票を区別しやすいように、急きょスタンプを作りました。

キャッシュレスのお会計が20%を超えると、どうなるか?

特にスタッフの意識の中でのこと。そうです。こんな思いが湧いてきてます。

「現金めんどくさーー」

そうなんです。

すでに数人の口から漏れ出てますが、お会計の際の現金の受け渡しにめんどくささを感じるようになりました。ちょっと前まで現金オンリーのお店だったのに、人間って便利な方へ向かうスピードがものすごく速い。

確かにキャッシュレスは速い。

特にPayPayは速いし、カンタン。一度やってみるとその便利さでハマる人も多いと思う。更に最近少しずつ増えてきた「タッチ決済」対応のキャッシュカードは、かざすだけでお会計終了。1万円以下ならサインも不要なのでホントに速い。そしてなんて言ったってスマートでカッコいい。

ピッ!てね。

更に決済事業各社も、あの手この手でキャンペーンを打ち出してくる。利用者を飽きさせない営業努力はさすがと言ったところ。特にPayPayからのブッシュはスゴいし、お店側へのサポートもしっかりしてる。

しっかりPOPを送ってきてくれるのは助かる。

人々の便利な方へ馴染む速さ、運営会社のサポートと営業努力などを考えると、国として打ち出している「将来的に80%まで引き上げ」ようとしてるキャッシュレス化も、ホントにそうなるのでは?って思ってしまう。

楽観的かな?

でも現場ではそんなイメージを待たざるを得ないです。

キャッシュレス化がもたらすこと

これまで現金を介して行われていた「こと」に、『もうコレできないんじゃない?』って思いが湧いてくる。つまり、キャッシュレス化が進むとお店に現金が集まらなくなることの影響が出てくる。

例えば、両替え。

まぁそんなに頻繁にあることではないけど、グループでご来店されて代表者がまとめてお支払いする。後で他の人は自分の分を代表者に支払うシチュエーションってよくある話。その際、代表者に支払う為に「1万円しかないから両替えして欲しい」とお願いされる場合もある。これは意外とキツいかもしれない。貴重な現金を “使い勝手の悪い” 1万円札に替えてしまうのはリスクがある。

こういう方たちには、PayPayなどのスマホ決済アプリを是非使ってほしい。「割り勘」や「送金」といった機能が簡単に使えるのだから。

更に、納入業者への支払い。

ボクたち個人経営の飲食店は「掛け売り」での納品って案外やってくれない。納品ごとに現金でお支払いすることが多いんです。でもキャッシュレス化が進んで現金がレジに入って来なくなると、この現金のお支払いも物理的に不可能になってくる。その支払いの為にわざわざ口座からおろしてくるのも非効率的だし。

そうなると業者さんへのお支払いも、クレジットカードでしたいものだが、そう相手先に相談を持ちかけてもまだまだ反応が鈍い。一般のお客さまと接してないからなのか、現実的な答えは出てこない。

ならば月締めの掛け売りをしてもらうしかないが、新規で口座作るのも躊躇するだろうね。それができないから安全な現金払いでやってるんだから。

でもそうも言ってられるのも今の内で、きっとこれからますますキャッシュレスの割合的増えてくる。そうなると冗談も言ってられないだろう。B to B メインの会社さんも変革を考えなきゃいけないでしょうね。木更津市がいち早く導入した地域電子通貨「アクアコイン」は、その辺りを見越してB to Bの支払いもアクアコインでできるように仕組みは作ってあるものの、アクアコイン自体の流通量が少なすぎて今の所現実的ではない。

覚悟したなら踏ん張りどき

こんなこと言ってるんだから、友理はキャッシュレス大歓迎。とはいえスタッフの負担やオペレーションの効率化を考慮すると、何でもかんでも受け付けるワケにもいかない。ここはバランス重視。でも電子マネー系での決済は年内にはできるようにしたいところ。Suica使いたいって需要あるでしょ?

Apple Pay 使えます。

しかし、キャッシュレス化が進むことで、今までになかった ”もの” 今後増えてくる。具体的にいうと ”決済手数料” だ。利益から差し引かれる金額が大きくなれば、当然ながら負担も増える。今までなかったことだけに、まだまだボクたちの頭の中には「痛いな」という思いは正直ある。でも、代わりにお客さまが「利用しやすくなった」という思いが印象付けられて、実際ご来店回数が1回でも増えてくれれば嬉しいこと。ここは覚悟を決めなければならない。考え方を変えれば、手数料分くらいの売上をアップさせるという具体的な目標ができたのだから、一層がんばれるかもしれない。

増税や軽減税率に伴う事務作業の増大、店内レジオペレーションの複雑化、そして決済手数料の増加….心配することは山ほどあるけれど、今は辛抱の時なのだろうと思い、スタッフ一同がんばろうと思うのです。ほら、人間は便利な方へ慣れる生き物だから。そのうちスイスイだよね。きっと。