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こういうのなんて言えばいいんだろう。とにかく嬉しかった。

帰れない、となると余計に故郷が恋しくなるのだろうか。

コロナ禍において帰省ができなくなった影響だろうか。元々多いお店だけど、最近 “初めて来る” という九州出身の方のご来店が多く目立つ。とりわけ長崎出身が多く、先日はドンピシャで佐世保出身の方のご来店があった。ドンピシャというのは、友理のルーツが長崎県佐世保市であり、ボクが産まれた場所だからだ。

ググってくれたのか、人伝いに耳にしたのか、とにかく探して食べに来てくれる。ありがたい。

とはいえここは関東地方の外れ、房総半島の中腹に位置する木更津市。

九州ラーメン、長崎ちゃんぽんと言っても千葉の人が作っているのだろう、、と思われるらしい。つまりさほど期待はしていない。当然だ。そういう方は食べた後に、タイミングが合えばボクに質問してくれる。「長崎の方ですか?」と。タイミングと言っても、ボクも薄々そんな感じがして調理中じゃなければ近づいていくのだ。そう聞かれるとボクはすかさず「はい、産まれは佐世保です」と答えるワケだ。それを聞いた時のお客さんの嬉しそうな表情は、いつ見ても微笑ましい。故郷を遠く離れたこの地で同郷の人に会って、なつかしい味を食べれたというのは、相当に嬉しいものらしい。

しかしながら、自分の想い描く親しんだ「故郷の味」でなければむしろマイナス。がっかりすることこの上ないだろう。あぁやっぱりね、◯ンガーハットの方がうまいやんと。うまいこと特別に気合入れて作れればいいのだが(気合入れてもどうなるものでもないけどww)、大抵の場合お話しできるのは食べた後。つまりいつも通りの調理をしてお出ししたちゃんぽんや皿うどんへの「評価」をお聞きすることになるのだ。

「長崎出身なんです」

とお客さんの口から出た瞬間、ピキっと背筋に電流が入る。やはり正直、長崎出身の方からの評価というのは気になる。

佐世保出身とはいえ、育ちは木更津。

もちろん食べに訪れたことはあるが、長崎の名物であるちゃんぽんや皿うどんを、ご当地で慣れ親しんで育ったワケではないことが、自分に足かせを付ける。

で、どうでしたん?ボクが作ったちゃんぽんは。。。

幸い、ボクがお話しした限りでは、嬉しいことに高評価をいただいてる。「なつかしか味がした」と嬉しい言葉言ってくれた。

先日ご来店された佐世保出身という方はなんと、社長(父)が修行したお店で佐世保の名店「お富さん」の名前を出してきて「お富さんと似た味、いやほぼ同じごたぁする」と言ってくれた。実は社長がお富さんで修行したと伝えると「どうりで!」と手を叩いて喜んでくれた。
その時はホントに泣きそうになるくらい嬉しくて、泣きはしなかったけどゾワッと鳥肌立って、ホッとしたと同時に少しばかり自信を得て、そしてとっても励みになった。

よかったぁぁーー間違ってなかった。。。

ご当地で慣れ親しんで育ったワケではない、幼い頃から染み込んだ父の味を習っただけ。そんな木更津育ちの佐世保の味を、「なつかしか味」と言ってもらえたことが素直に嬉しかった。そしてこれまでやってきたことが間違ってなかったことに自信を持つことができて、前に進む勇気を与えてくれた。

たったひと言の感想だけど、ボクにとっては大きい。人間は単純だ。

友理のちゃんぽん、皿うどんはもちろん、ラーメンなどなど全て、創業以来変わらずに作り続けている。代わり映えしないお店と言われることもある。だがこうして特に新しいことをせずとも、新しい出会いや新鮮な気持ちに触れることができるってことにも気づかせてくれた。

◆九州ラーメン友理
◆木更津市港南台4-2-7
◆0438-37-3875(お持ち帰りのご注文もこちらから)
◆OPEN 11:30〜CLOSE 21:00
ラストオーダー20:45
◆定休日 毎週火曜日(但し、祝日の場合は営業して、翌日休み)

ラーメンの通販始めました。

昭和45年の創業以来ずっと変わらない友理のラーメンを冷凍でお届けします。スープと麺を別にしてあるので、スープは湯煎、麺はお好みの硬さにゆでてお召し上がりください。